中学1年から10年間
変わらず通り続けている通学路に
昔ながらの銭湯がありました。
通学する朝はもちろん開いてませんが
部活や委員会終わりの帰り道、
ピューっと自転車で前を通り過ぎると
銭湯独特のイイ匂いがしてきて、
「あぁ、早く帰ってお風呂入りたいなぁ」
と思ったのを覚えています。
その銭湯の跡地に
来月ローソンが開店します。
銭湯が閉まったのは
確か今年の初め頃のことでした。
少しずつ建物が壊され
「こんなに大きい銭湯だったのか」
と驚くくらい
だだっ広い更地になりました。
古い建物が壊されて新しい建物が建つと、
元々そこにどんな建物があったのか
よく思い出せないことがあります。
頻繁に通っていたお店とかは別ですが
そうでもないお店や建物は
単なる風景の一部に過ぎません。
僕にとってその銭湯は
そんな通学路の風景の一部でした。
気になってはいたけれど
家から少し距離があるので
入りに行ったことはない。
それなのに、あの銭湯の外観は
今も鮮明に覚えています。
僕は銭湯に、
強い昭和のイメージを持っています。
桶とシャンプーの類を持って
近くの銭湯へ。
大好きな漫画『めぞん一刻』は
そんな些細なシーンを
見事に描いていると思います。
またひとつ
時代を象徴する建物が無くなり、
何処にでもある
ありきたりな風景になってしまいました。
仕方ないなと思いつつ、
つまらないなとも思いました。
人の座布団を奪い取るとんぼ君。
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