これはいかんよVR


走行距離3000m、
最高高度300m、
最高速度300km/h。

『VR-KING』はこれを売りにした
VR体験型ジェットコースターです。

どれも世界最長・最高・最速の記録らしく
“KING”を名乗っているようでした。



入口には100分待ちの表示。

でもまぁKINGならそれくらい仕方ないと
待ってみることにしました。

中に入って列に並ぶと、
思いの外人数は少ない。

遠足で来たであろう小学生と
我々のような大学生が50人ほどでした。
もっと少ないかも。

どんだけ回転率が悪いんだ
と思いながらダラダラ喋って待ってました。



少しずつ列は前進し
待ち始めてから90分後、
ついに我々の番がやってきました。

奥へ進むと
確かにジェットコースターが。

ただ普通の遊園地にあるような
スリムな形状ではなく、
あくまで人を乗せるための
台車のような形をしていました。

結構しっかりめの座席に座り
(富士急のええじゃないかよりガッチリ)
VRを装着しました。

VRのピントを調節して
いよいよスタートです。



スタートと同時に
コースターが動き出しました。

右に曲がった後、
地上300mへ向け上昇を開始します。

座席が大きく後ろへ傾き
VRの映像もそれっぽくなるのですが、
体感では高い所へ行った
という感じが全くしません。

映像も時間短縮のため
300mをあっという間に駆け上がります。

物理的にそれは不可能だろ!
と思いつつ、ものの10秒ほどで
新宿のような街の地上300mに到達しました。



ここから街の間を縫うように
コースターは走っていくのですが
いかんせん体感は
ずっと地上付近のまま。

ジェットコースターならではの
上下左右に振り回される感覚は
一切ありません。

ただ座席が割と大きく傾くだけ。

だから常にGは下にあり続ける。

座席が揺れたり傾いたりしてるだけ
の感覚なのに、
映像は大都市からジャングルまで
ファンタジーな世界を
えらい勢いで次々と走っていきます。

そもそも身体が振り回される
ドキドキ感がなくてつまらないし、
視覚と触覚がチグハグで
なんかずっと気持ち悪いし。

100分待ってコレかよ…と
ショックを受けつつ、
これは一体何が問題なのだろうと
真剣に考え始めてしまいました。



コースターを降り、建物を出ても
暫く友人たちとの会話はありませんでした。

みんな同様に
肩透かしを食らったんだなと
ちょっと面白く感じました。

しかしコレに100分待ちは可笑しい!

もう時間はお昼じゃねぇか。
さぁどうしよう。何しよう。

次回、『チャンポンとタワー』。


猫はこたつで伸びをする。

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