まんじりともせず起きていた


3:30、駐車場に車を停め、
駐車場に設置されている
男女1つずつの仮設トイレに並び、
東京とは比にならない数の星が光る
美しい北の星空を見上げたあと、
3:45、2時間の仮眠をとるため
再度車な乗り込みました。

私は助手席で
リクライニングを極限まで倒し、
後部座席で横になるそいつのために、
座席を可能な限り前にずらし、
眠る準備をしました。

エンジンは、ずっとかけっぱは
さすがにどうかと思い、
切っておくことにしました。



バチっと目が覚ました。
スマホを確認すると、時刻は4:50。

まだ1時間しか経ってない。
しかし両脚が
完全に冷えきってしまっている。

冷気が低いところに溜まるためか
足元がビックリするくらい冷たい。

再び足を入れる勇気が持てず
膝を抱えて寝ることにしました。

しかし寝返りが打てない。
シートがそれを許さない。

横向きで寝たいけど
シートの形がそれを許さず、
真っ直ぐ寝ると脚がさらに冷たくなる。

結局どうしたって眠ることが出来ず
シートに体育座りして
時間が来るのを待ちました。



後から考えると
そいつを起こしてでも
「エンジンかけよう」と
言えば良かったのですが、
後部座席で寝ているそいつを起こすのが
何となく申し訳なく、
最後まで言い出せませんでした。

なんだかこの状況、
水曜どうでしょうヨーロッパ・リベンジの
ドイツで野宿した時の大泉さんみたい。


ほとんど状況が同じで
ちょっと面白くなってしまいました。

あの時の大泉さんの言うとおり、
「寝たら死ぬ」と思いました。



1時間大泉さんのように
膝を抱えてまんじりともせず起きていると
5:50のアラームが鳴りました。

私「……エンジンかけよう」
そ「寒かった。寝れた?」
私「1時間くらいは」
そ「そっか。俺寒くて寝れなかった」

起きてたんかい。
じゃあ遠慮なく
声かければよかったやん。

何とも言えない気持ちになって
エンジンをかけました。

暖房で若干温まってから
日の出を見に
犬吠埼へ歩いて向かいました。

空も段々と明るくなり始めています。

次回、『おはよう、太陽さん』。

成井憲二Official

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